日々の音色とことば:

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SPANK PAGE/のあのわ JOINT TOUR 2009 星降る夜への音楽旅団

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渋谷クアトロにて、「SPANK PAGE/のあのわ JOINT TOUR 2009 星降る夜への音楽旅団」を観てきました。



この2バンドが対バンツアーをする意味というものについては、9月20日発売号のロッキング・オン・ジャパン誌に長文レヴューを書いた。そこからの抜粋。

(前略)
いまやフェスやライヴの現場でアーティストと直に繋がる体験は、音楽リスナーにとって、当たり前のものになってきている。CDセールスの落ち込みも(それを補うほどに配信が伸びていないという事実も)、音楽というカルチャーの重心がどんどんライヴの場に移っていることを示している。
 だからこそ、そこで“勝っていく”バンドやアーティストには、フィジカルな強さが求められることも多くなってきていると思う。タオルを振り回して、拳を突き上げて、そうして一体感を生み出すことのできるような、汗の匂いのするロック。踊れたり盛り上がったり、身体にダイレクトに作用するアグレッシヴなロック。特に邦楽のシーンにおいては、そういうものがライヴの現場における一つの王道になっている気がする。勿論、そういう傾向自体をどうこう言うつもりはない。以前に比べれば好ましいことだとも思う。けれど、ふと思ったのは、もしそれがメインストリームだとするならば、そこに対しての“オルタナティヴ”はどういうものになるんだろう、ということ。それを考えるきっかけになったのが、先日リリースされたSPANK PAGEとのあのわのアルバムだった。
 9月9日に1stアルバム『SPECTACLE』をリリースしたのあのわ。そして8月19日に『らしさのありか』をリリースしたSPANK PAGE。彼ら2組は、「星降る夜への音楽旅団」と銘打って、9月から10月にかけて全国でカップリング・ツアーを行うことが決定している。とはいえ、お互いの音楽性が似通っていたり、同じジャンル/シーンに属しているというようなわけでもない。のあのわは、チェロを奏でながら歌うYukko率いる5人組の楽団。まるで遊園地やサーカスのようなメルヘンチックなポップ世界を作り上げている。一方SPANK PAGEは、レディオヘッドやコールドプレイをルーツに感じさせる、透明感ある歌声とスケールの大きなサウンドで勝負するタイプのロック・バンドだ。でも同時期にデビューを果たしたこの2バンドが共にツアーをすることに、僕は何か象徴的なものを感じている。
 鳴らしている音の感触は違うけれど、彼ら2バンドに共通しているのは、とてもドリーミーな音楽であることだ。そう一言で言ってしまうのは乱暴だろうか。でも、二組とも、ザクザクした空気を切り裂くようなものとしてではなく、包み込むような繊細なレイヤーの積み重ねとして、バンド・アンサンブルを奏でている。キーボードや打ち込みも駆使して、色彩感豊かな情景を描き出している。
 それでいて、二組ともそういう音の風景描写力だけに頼らず、聴き手との共感を結びつけるような歌詞の言葉を歌おうとしている。のあのわは、かつてはポスト・ロック周辺に影響を受けた、より洋楽志向の強いバンドだったという。SPANK PAGEも、2年前にバンドのスタイルをシフトチェンジして、より素直な言葉で歌詞を書くようになったことをインタヴューで明かしている。それ以前はより実験的な音楽性だったという。たぶん、シガー・ロスあたりが共通のルーツになるのだろうな。それでも、彼ら二組は自らの音楽を「開けたもの」にするために、より真っ直ぐなメッセージへと踏み出したという経歴を経てきている。

(歌詞引用略)

 のあのわはキュートな歌声で溢れるような歓喜を、SPANK PAGEはドラマティックなメロディにのせて光を求めるポジティヴィティを歌う。でも、二組ともその背後にある弱さや喪失感といったナイーヴな感性を隠していない。その繊細さが、切実な“願い”としてのポップネスを生み出している。こうして書いていくと、辿り着いたサウンドは違っても、二組が共通の回路を通ってきたことはわかるだろう。幾重にも塗り重ねた音の翼が持つ飛翔力で、別世界のファンタジーを描き出すような音楽。彼らは、そういう言葉通りの意味で“ドリーム・ポップ”と言うべきアーティストなのだと思う。そこにあるのは、肉体的な高揚感に対するオルタナティヴとしての、幻想世界だ。
(後略)



 ここに書いてある通り、僕はこの2バンドは、明らかに言葉本来の意味での“オルタナティヴ”、つまり「もう一つの選択肢」を担う可能性を秘めているんじゃないかと思っている。

「夕方に目覚めて何も出来なかった日曜日」の後悔や憂鬱をMCで語って“呼吸”をプレイしたSPANK PAGE。スケール感と完成度はすごく高いのだから、もう少し“引力”を感じさせて欲しかったというのが、正直なところかな。

それで言うと、のあのわのハジけてる感じはよかったなあ。“リズム”で全員がサンバの手拍子をするところとか、ライヴならではって感じもするし。“SPECTACLE”や“Line”のような曲には歓喜の爆発力を感じるし。なんというか、Flaming Lipsにとっての“Race For The Prize”みたいな「必殺の一曲」ができたらさらに化けそうな予感もするのだ。

らしさのありからしさのありか
(2009/08/19)
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