日々の音色とことば:

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フェスティバルが一人勝ちした理由

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00年代のなかば頃まで「フェス・バブル」という言葉がよく使われていた覚えがある。CDの売り上げも落ちる、ライヴも芳しくない、それでもロック・フェスの動員は伸び続けている、といった時期。音楽業界の中でフェスだけが伸びていた時期。ただ、その頃までフェスのチケットが早々に売り切れるという状況はまだ今のように当たり前なものではなかった。オアシス、ニール・ヤング、エミネムと超強力なラインナップが揃った00年のフジですら、ソールドアウトには至らなかった。でも、僕の周りでは「普段CDもそんなに買わない、ライヴもそんなにいかないけど、年に一度のフジはすごく楽しみにしてる」という人は徐々に多くなっていった。その頃から僕は“バブル”なんかではない、音楽リスナーの構造的な変化だろうと思っていたけれど、最近ではもう「フェス・バブル」なんて言う人も少なくなったな。

ロック・フェスがここまで動員を増やし、規模を拡大し、人々の間に定着したのは何故か。それはひとつは、多くの人が書いているとおり「体験は複製できない」からだろう。いくらyoutubeにステージ映像がアップされようが、現場で吸う空気まではどうしたってコピーすることはできない。著名ブロガーの子飼弾氏が書いているとおり(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20071231/290385/)である。

さらに、「特に観たいアーティストがなくてもフェスには行く」という層も増えてきている。目当てが出てなくても、のんびり寝そべってるだけで楽しむことができる――これは、ライヴハウスの対バン・イベントには決してない要素だ。特にここ2~3年は、フジもサマソニもRIJFも、それぞれのやり方で「目当てのアーティストがいない時間の楽しみ方」を提供する方向に力を入れている。いわばフェスの「おもてなし」のレベルが上がってきている、ということだろう。

もうひとつには、フェスティヴァル自体がメディアとなったという現実もある。「まだ知らない良い音楽」を探す音楽ファンにとって、フェスは格好の音楽との出会いの場になっている。フジなら王道のロックやクラブ系だけでなくジャズやワールド系もカバーし、UKやUSのイキのいい新人バンドならサマソニ、邦楽ならロック・イン・ジャパンやライジング・サンというように、それぞれの棲み分けもできている。たとえばくるりが主催した「みやこ音楽祭」のように、アーティスト自身がメディアとなって自らのファンに音楽を紹介するパターンもある。そうすると、フェスへの出演によってポピュラリティーを獲得するバンドというものも、当然出てくる。パッと思いつくのはフジでの「渋さ知らズオーケストラ」あたりだろうか。こうして、さまざまな音楽との“つながり”が提供されるわけだ。

もちろんすべてのフェスが成功をおさめているわけではない。もはや(逆の意味で)伝説となった一昨年のウドー・ミュージック・フェスティヴァルのような例もある。名前は伏せるが、チケットの売れ行きが悪く開催中止にいたった夏のイベントもある。「フェスなら何でも客が集まる」わけではないことも、フェスを巡る状況が“バブル”ではないことを証明している。そこに「おもてなし」と「メッセージ」がなければ、人は集まらない。

先日幕張メッセで行われたカウントダウン・ジャパン07/08も、ソールドアウトの盛り上がりだった。統計やデータがないので実感に基づく話でしかないのだが、アーティストそれぞれの単独ライヴやツアーの動員も右肩下がりではないはずだろう。この盛況がいつまで続くかはわからないが、すでに現在成功しているモデルがある以上、再構築はそれを軸に進んでいくと思っている。

渋全渋全
(2006/01/11)
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